2011/06/11 (Sat) 西日のつもりが

この前日記にメモした西日上げました。しかし祖国よりも蘭兄さんの方が目立ってます。結果、親分が貧乏くじ引いた感じになってしまいました……親分ファンの皆様にお詫び申し上げます。ごめんなさい！　でもこういう感じ、ヘタキャラではあとはフランス兄ちゃんにしか似合わないと思います。あ、あとデン兄さんにも出来るかな。
イギは……たぶん「それでこそお前」ですべて終わってしまいそう。私の場合。

歴史背景は続きへどうぞ。すっごく長いですし、（趣味でやったので）読まなくても問題ないです。

親分の落日はご本家様に書いてあるから触れません。まったく関係ないですが、このアルマダ海戦でスペイン艦隊を破ったイングランド艦隊の指揮官がワンピに出てるルーキーの一人「バジル･ホーキンス」のモデル「ジョン･ホーキンス」で、副司令官が「X・ドレーク」のモデルになった「フランシス･ドレーク（イギリス人で初めて世界一周を成し遂げた人）」です。ちなみにこの二人、従兄弟同士なんだそうです。

スペインが広大な植民地を得られたのは、馬も鉄器も火器もない所に、最新鋭の装備を持って攻め込んだからだとはよく言われる論法です。実はこの当時の日本は、国中に火縄銃が標準装備されていました。保有量はオスマン帝国と肩を並べるほどだった、と言う推計もあるそうです。実際、雑賀衆のような鉄砲集団もいましたし、合戦の際は、天守で女性達が銃弾を鋳込んでいたそうです。日本刀の切れ味は、ヨーロッパの人々も驚かせるものだったそうです（ポルトガルと貿易してたので伝来していたでしょう）。

蘭兄さんはポルトガルの拠点を奪い取って、アムステルダムに東方との貿易の富が集中するようになりましたが、イギリスも香料を得たいと参入。収拾を図るためオランダに有利な取り決めが交わされた（オランダの既得権益の尊重、利益の３分の２はオランダが取るけど、領土は折半）のに、蘭兄さんはそれを無視して取引を続けます。キレたイギリスがジャカルタにあったオランダの商館を襲い、蘭兄さんもインドネシアはアンボイナにあるイギリス商館を襲って、そこにいた全員を皆殺しにしてしまいます。これで当時進んでいたイギリス東インド会社とオランダ東インド会社の合併話は立ち消え、イギリスは東南アジアから手を引いて、インドの綿産業に力を入れるようになるのです。そしてこれが国力の増大と産業革命に繋がる訳です。
そしてこの時イギリス、平戸にあったイギリス商館も閉鎖。後に「朱印状は有効だ、もう一度やり直そう」と江戸幕府に話を持ちかけますが、蘭兄さんから「イギリス国王とポルトガル王女が結婚した」と聞いていて、また、一方的に商館を閉鎖されたことを根に持っていた幕府は拒否。これがリターン号事件です。覆水盆に返らず。

蘭兄さんもつきあい始めは上手くいってません。日本と明との交易の中継地点だった台湾を占領、ここを拠点として行われる貿易に一律１０％の関税をかけましたが、日本側は拒否。日本と貿易したいオランダは、日本の上司（徳川家光）と交渉しようとしますが、長崎の代官の工作で失敗。蘭兄さんは代官の部下である浜田弥兵衛の船を渡航禁止、武器も取り上げ、将軍に拝謁した先住民達と贈り物も取り上げ監禁します。この措置に怒った弥兵衛は単身蘭兄さんの所に出向き、台湾行政長官ノイツを人質にとって関税及び措置の撤回を求めます。オランダ側は受け入れますが、この騒ぎで平戸の商館は閉鎖されてしまいました。機嫌を取ろうと、蘭兄さんは貢ぎ物作戦に出て何とか懐柔。でもその後も、「オランダ商館に西暦が彫られている」なんて理由で、長崎に移転させられたりしています。これが１８世紀も後半になると、「蘭兄さんの言う事は何でも信じる」的姿勢になるから、時の流れは偉大です。

「日本が閨で云々」は、当然私の妄想です。